京都には、四条や河原町という大通りとは別に、路地と言われる狭い路地が数多くあります。
車が入れないような狭い道路もあり、そのような場所では石畳が残されています。また、古くからある道なので、風情のある京町屋が軒を連ねている場所も多く見受けることができます。
それらの路地の風合いを愛する観光客も増え、昨今では観光スポットして脚光を浴びるようになりました。
1.路地の魅力
石畳
今でこそ、京都の道も多くはアスファルトで覆われるようになりました。しかし、和の風情に会うのは石畳の道。
観光客が多いような道では、今でも石畳の道が残されています。京都に似合う道にするため、アスファルトから石畳に舗装され直した道路もあります。
京町屋
黒く時代を吸い込んだ木材、おもてを飾る格子、竹を並べた犬やらい……路地裏には、風情のある京町屋が残されています。カフェや雑貨屋さんに生まれ変わった町屋もありますが、先祖代々そこに人が住んでいる町屋もあり、タイスリップした気持ちに包まれます。
時代のはざまに迷い込むような細道
京都では、もともとは「路地」というのは小路の奥が行き止まりになったものをいい、別の通りまで道がつながっているものを「辻子」や「突抜」と言ったのですが、その場合の「路地」は本当にせまく、自転車を押して歩くのが難しいものまであります。
迷路をめぐってたどり着く楽しみ
この奥に本当に家が並んでいるのかと、戸惑うほどに細い道を行くと、のれんやちょうちんに出会えることがあります。
写真は宮川町のお茶屋さんですが、カフェや雑貨屋もひっそりと隠れています。
そういうお店を、地図とにらめっこしながら迷路の奥から見つけ出す、その楽しみも路地の魅力です。
2.巽橋近辺の路地
京都らしい風情があるとして、祇園を訪れる人の多くが撮影に訪れる巽橋。その周りは、新橋通・白川南通など名のある通りから本当の小径まで、魅力ある路地の宝庫になっています。置屋さんも多いので、夕暮れから夜にかけて訪れると、本物の舞妓さんに出会えることも。
場所:祇園の北側
アクセス:京阪「祇園四条」駅下車 徒歩5分
阪急「河原町」駅下車 徒歩10分
3.宮川町近辺の路地
四条川端の南側に広がる花街・宮川町にも、古くからの路地がまだまだ残っています。祇園ほど観光地化されていないこともあって、現代風に建て直された家も多く、格子が活きている町屋と現代の不思議に融合した街並みになっています。最近は、京町屋を活かしたゲストハウスが多く作られています。
場所:祇園の南西から五条通の北側あたりまで
アクセス:京阪「祇園四条」駅、もしくは「清水五条」駅下車 徒歩5分
阪急「河原町」駅下車 徒歩10分
柳小路
四条河原町から西へすぐ、新京極と河原町の間にある細い道です。路地の入り口や途中に何本も植えられた、柳の木が目印。
商業地帯のど真ん中ということで、お洒落なお店が並んでいます。すべて、京都らしい情緒を大切にした外観となっています。
観光ガイドに紹介されることが少ないので、観光客で込み合うほどではありません。路地の中ほどにある八兵衛明神は、森見登美彦さんの小説に登場しています。
場所:四条河原町から西へ1分も行かない角から北へ伸びる細道
アクセス:阪急「河原町」駅下車 徒歩1分
京阪「祇園四条」駅下車 徒歩5分
市営地下鉄「京都市役所前」駅下車 徒歩10分
膏薬辻子
四条烏丸から5分ほど東に行ったところに、南北に走っているのが膏薬辻子。立て看板が目印です。
平将門の首がさらされた後に、将門を鎮めるために建てられた神田明神のある小路です。路地の風合いを後世に伝えるため、平成24年に石畳が舗装されました。
普段はあまり観光客の通らない、隠れた路地裏スポットですが祇園祭の時は別。辻子から四条通に出たところに山が建てられ、多くの人々でにぎわいます。
場所:四条烏丸の交差点から西へ。四条通と綾小路通の間。
アクセス:市営地下鉄「四条」駅下車 徒歩5分
阪急「烏丸」駅下車 徒歩5分
先斗町
京都で路地を語るなら外せないのが、先斗町。四条から三条を結ぶ鴨川沿いの道で、和食や洋食、カフェが並び、昼も夜も大勢の観光客でにぎわっています。桜や八月、紅葉の頃は、ここを大勢の観光客が行き交います。
鴨川の上に建てられる床は、京の夏の風物詩です。
数年前はきらびやかな看板も多かったのですが、風情を大切にしようという市の働きかけで、落ち着いた風合いの街並みになりました。
京都で最も大勢の人に愛されている路地裏かもしれません。
場所:四条と三条に挟まれた、鴨川西側一帯
アクセス:阪急「河原町」駅下車 徒歩1分
京阪「祇園四条」駅下車 徒歩5分
市営地下鉄「京都市役所前」駅下車 徒歩10分
路地裏巡りで自分だけの京都を見つけよう
京都で愛される路地裏を紹介しました。
京都の魅力が濃縮されたような街並みばかりです。撮影して回るのも魅力的ですし、着物を着ていくのもおススメ。
細い路地の先で、自分しか知らないような物語を探してみてくださいね。