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山鉾巡行だけじゃない!実は奥深い京都の祇園祭 風習5選

  • 2019年4月6日
  • 2019年6月10日
  • 関西
  • 346回
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1.京都の夏と言えば、七月に渡って行われる祇園祭。

17日と24日に山鉾巡行が行われ、京都市内が沸き立つように盛り上がります。

巡行の3日前からは数多くの屋台も出て、着物の大売り出しも行われます。

特に、宵山と呼ばれる16日には、一晩で15万人以上の観光客・参拝客が京都の町を訪れます。

2.祇園祭とは何のお祭り?

そもそも祇園祭とは、どういう歴史のあるお祭りかご存知ですか。

夏に疫病がはやりやすかったため、貞観11年(869)に厄除けのお祭りとして始まったのが最初と言われています。

当時は、災害は怒れる神がおこすものなので、神(祇園祭ならスサノオノミコト)を鎮めるためにお祀りし、山車に厄をうつして祓うという儀式でした。

山車は各町内で出していたのですが、それぞれが競い合って大きく華美にしていき、現在の大掛かりな山鉾になりました。

応仁の乱と、第二次世界大戦の時は中止されましたが、戦後すぐに復興しています。

この二つの戦争が並んでいるあたり、京都のスケールを感じます。

見どころはやはり、街を飾る山鉾。

見ることができるのは巡行前の三日間で、登ることもできます(女人禁制の山鉾もあります)。

町内の男性が鉾に登って奏でる祇園ばやしが祭りを彩ります。

3.祇園祭のちまきは厄除けの目印

京都の人々は、「蘇民将来の子孫なり」と書かれたちまき(護符)を玄関に飾り、一年間つつがなく過ごせるように、と祈ります。

ちまきは山鉾で購入でき、一年間家を守っていただいた後は、また山鉾にお返し、新たなちまきいただきます。

同じ形で、くずもちを煮たちまきという和菓子もありますが、祇園祭のちまきは食べられません。

蘇民将来というのは、スサノオノミコトが旅路につかれ、また村の人に冷たくされて困っていた時に助けた、貧乏な人の名前。

スサノオノミコトが神の力を持って村人に災厄を与えたときに、蘇民将来とその子供だけは災厄から逃れられたという伝説があり、現在でも厄除けの祭りとして蘇民祭が全国各地で行われています。

ユダヤ教に、神がモーゼを訪れ、「神を信じるなら門を赤く塗りなさい、破壊の天使がこの地を訪れたときに門が赤い家を襲わないようにするから」と言ったとされることから、年始年末に門に赤い目印をつけるというお祭りがあります。

蘇民将来の伝説に似ているので、もしかすると関係があるのかもしれないとネット上で話題になったこともありました。

4.舞妓さんの無言参り

祇園祭の前祭17日と後祭24日の間、八坂神社の神様(スサノオノミコトと奥さま、お子様たち)は神輿に移り、御旅所におられます。

八坂神社の御旅所は、四条通。新京極と寺町に挟まれたあたりにあり、普段はおみやげ物センターになっている場所です。

八坂神社と御旅所の間を、誰とも話さず往復するというのが、舞妓さんの無言参り。

夜のお仕事の後、夜中に7回往復してお祈りをすると、願いが叶うといわれています。

離してはいけないのに、お参りの最中にお客さんに話しかけられると無視することもできず、そのたびにやり直している間に朝になることも多かったとか。

今では一般の人もそれをまねて、ひっそりとお参りする姿を見ることができます。

もし真似る場合、しっかりと水分を補給して、熱中症で倒れないように気をつけましょう。

八坂神社御旅所

住所:京都府京都市下京区貞安前之町

5.きゅうりを封じる一か月

八坂神社の紋は、五瓜に唐花。

5枚の花弁のような「木瓜模様」を、まるい唐花が包んでいます。

木瓜模様は、瓜を輪切りにした時の断面を図案化したもの。たしかにきゅうりや冬瓜の断面に似ていませんか。

そのため、神社の神職や氏子さんたちは、祇園祭の間は神様に似ているきゅうりを食べてはいけないといわれています。

また、八坂神社だけではなく、土用の丑の頃には京都のあちこちのお寺で「きゅうり封じ」の儀式が行われています。体の厄をきゅうりに封じて自然に返すというものです。

6.宵山の日だけ売りに出される和菓子

16日に、八坂神社を南に降りてすぐのところに行列ができます。

行列の先にあるのは、「柏屋光貞」という和菓子屋さん。

このお店の先祖は、山伏でした。夏に疫病がはやることに心を痛めていた折、夢の中で役行者にお告げを受け、行者の衣を模した和菓子「行者餅」を作って役行者山(山鉾の一つ)に供えたことが始まり。

このお餅を食べた人は、疫病から免れたそうです。

それから200年、宵山の日にだけ売りに出され、京都の人々は一年の息災を願ってお餅を食べるという習慣が続いています。

予約販売は行われておらず、早朝から人々が並んで買い求めるため、14時ごろに売り切れている年もあります。

柏屋光貞の当主は、このお餅を作る関係から、今でも代々、山伏として修業を収めているそうです。

柏屋光貞

住所:京都府京都市東山区 松原上る四丁目 毘沙門町33−2 東大路通ぞい

連絡先:075-561-2263

7.祇園祭限定の御朱印

京都に訪れる人の中には、御朱印をいただくのが好きという人も多いでしょう。

祇園祭の間は、限定の御朱印を数多くいただけます。

まず、八坂神社でいただけるのが、「御霊会朱印」。御霊会というのは、祇園祭の前身「祇園/御霊会」の名前です。

鉾や山など、祭りの風景が描かれた台紙に押印・墨書されます。

授与期間:7/17/31

各山鉾でも御朱印がいただけます。スタンプだけのところが多いのですが、実際に押印・墨書してくれる山鉾もあります。

山鉾すべてを集めるとかなりの量になりますが、専用の朱印帳を使うと便利で、記念にもなります。ページに山鉾の名前が書いてあるので、いただいていないところがあればすぐにわかります。

授与期間:前祭 7/147/16

跡祭 7/217/23

祇園祭の風習をまとめてみました。

女性でも鉾を曳ける「試し引き」や、山鉾町内の家で表の部屋に屏風を立て家宝を飾る「屏風祭」など、ここに載っていないものもまだまだあります。

千年以上の間人々を楽しませ、平穏を守ってきた祇園祭の風習には、人々の祈りが込められています。

祇園祭に訪れる際には、人々の習慣を知り、その奥深さを体感してみてください。